機嫌気褄きげんきづま)” の例文
どんなにあっし達が機嫌気褄きげんきづまを取り結んでおだてあげても、あの観音像ばかりはと言って、ちっとも正体を見せねえので、とどひと芝居書こうと考えついたのが、こちらの八ツ橋太夫なんです。
その肌合はだあいなり気持なりは、矢張会社の重役と云うよりおたなの奉公人であって、昔はよくこう云う風な、腰の低い、口の軽い、主人の機嫌気褄きげんきづまを取ることや人を笑わせることの上手な番頭や手代が
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)