楼上にかい)” の例文
旧字:樓上
老婆はそう言って夫人の前をつくろって、秀英のいる楼上にかいへ往った。楼上には秀英がねだいの上に横になっていた。老婆はずかずかとその傍へ往った。
断橋奇聞 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
急ぎて先ず社務所に至り宿仮らん由を乞えば、袴つけたる男我らをいざないて楼上にかいに導き、幅一間余もある長々しき廊をかぎに折れて、何番とかやいう畳十ひらも敷くべき一室ひとまに入らしめたり。
知々夫紀行 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)