これは支那で羔子カオツェと俗称し、韃靼だったん植物羔ヴェジテーブル・ラムとて昔欧州で珍重された奇薬で、地中に羊児自然と生じおり、狼好んでこれを食うに傷つけば血を出すなど言った。
十八世紀の仏国植物学大家ジュシューいわく、いわゆる植物羔ヴェジテーブル・ラムとは羊歯しだの一種でリンナースが学名をポジウム・バロメツと附けた。その幹一尺ほど長く横たわるを四、五の根あって地上へささえ揚ぐる。