“枯骨”の読み方と例文
読み方割合
ここつ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
晩年、岩殿山霊巌洞いわとのやまれいがんどう枯骨ここつを運んで、坐禅しながら死を待つあの寥々りょうりょうとした終焉しゅうえんの身辺も、この家庭から生んだものと僕は思う。
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こゝに恨みある身の病を養へばとて、千年ちとせよはひ、もとより保つべくもあらず、やがて哀れは夢のたゞちに消えて知る人もなき枯骨ここつとなりはてなむず。
清見寺の鐘声 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
照子は腰元を召して、「門内に変死があるというね。どんな様子だかお前行って見ておくれ。」次第によらば、枯骨ここつを拾わん思召おぼしめし、慈善家は違ったものなり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)