ほぞ)” の例文
眼に見えない肝心のところ、柱や梁のほぞはゆるんでるに違いない。死なば皆諸共、一度にぐしゃりと潰れるまでである。
(新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
窓枠のほぞから外されたと見え、それぞれ少しずつ中ほどから曲がったまま軒下に捨ててあるのを見ました時に、私は思わずふるえあがってしまいました。
幽霊妻 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
私がふり向いて見物人を見ることが出来るように、我々は円場にごく接近して坐った。場内はほぞ穴を持つ横木で、六フィート四方位の場所にしきられている。
それぞれの木は元のところで丁寧にほぞつぎにされた——その頃には他の道具も借り入れたのである。
それから栓をつかんで、そっと音のしないように、ほぞへ差し込んだ。本能が手伝ったのだ。これだけすっかり済ますと、彼は息を殺して、ドアのすぐ傍に身をひそめた。
この橋は両端近くで、激流からそそり立つ高さ十五フィート直径二フィートの大きな石柱で支持されている。横木は石で、垂直の柱にほぞ穴にしてめてある。