東吾とうご)” の例文
おいおい東吾とうご、まずいなアそれじゃアちっとも実感が出ない。泣いているように聞こえないじゃアないか。……お芝居じみていて空々しいや。
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
十八九ばかりの書生風の男で、浴帷子ゆかた小倉袴こくらばかまを穿いて、麦藁むぎわら帽子をかぶって来たのを、女中達がのぞいて見て、高麗蔵こまぞうのした「魔風まかぜ恋風」の東吾とうごに似た書生さんだと云って騒いだ。
心中 (新字新仮名) / 森鴎外(著)