木魂返こだまがえ)” の例文
続いて別な声がまた呼ぶと、木魂返こだまがえしに向うからも、応ーッと答える声がする。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
わば、難題である。あて人の娘御に、出来よう筈のない返答である。乳母おもも、子古も、およそは無駄な伺いだ、と思っては居た。ところが、郎女の答えは、木魂返こだまがえしの様に、躊躇ためらうことなしにあった。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)