書類かきつけ)” の例文
一郎が小学校へ入学致しました時の戸籍の書類かきつけなぞはどうして取りましたものかわからないままに全くの音沙汰なしになっておりました。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
隣の者が驚いてその家へ往って見ると、かまどの中で種種いろいろ書類かきつけや道具でも焼いたのか、その中に箱の燃えさしや紙の燃えさしが散らばっていた。
水面に浮んだ女 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
漁師はいきなり其の首を締めて土手へあがって見ると、其の財布には六両ばかりの金と何か書類かきつけらしいものが入っていた。
(新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
怪しい男から書類かきつけを托された船は薩摩の船であった。薩摩の船は大阪へ着くとともに土佐邸へその書類を届けに往った。土佐邸には孫八を知っているものもあった。
幽霊の自筆 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
女房は財布の中の書類かきつけを開けて見た。それは四日市屋の主翁ていしゅが久兵衛に渡した証拠の一札であった。
(新字新仮名) / 田中貢太郎(著)