晴天はれ)” の例文
雪は五寸許りしか無かつたが、晴天はれ続きの、塵一片ひとひら浮ばぬ透明の空から、色なき風がヒユウと吹いて、吸ふ息毎に鼻の穴がつまる。
菊池君 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
まだ店を開けない町家続きに、今日一日の晴天はれを告げる朝靄が立ち罩めて、明るい静寂しずけさのなかを、右手鎧の渡しと思うあたりに、時ならぬ烏の声が喧しかった。
明日も——この分では明日も晴天はれらしい——と。