是方こつち)” の例文
『しかし。』と郡視学は言葉をいで、『是方こつちから其を言出しては面白くない。町の方から言出すやうになつて来なければ面白くない。』
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
と見ると——釣竿を忘れずにかついで来た程、其様そんなひどく酔つて居るとも思はれないが、しかし不規則な、覚束ない足許あしもとで、彼方あつちへよろ/\、是方こつちへよろ/\
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そこへ行くと、是方こつち草鞋わらぢ一足、舌一枚——おもしろい、おもしろい、敵はたゞ金の力より外に頼りに為るものが無いのだからおもしろい。はゝゝゝゝ。はゝゝゝゝ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)