日比谷公園ひびやこうえん)” の例文
それが日比谷公園ひびやこうえんの一角に、英国より寄贈されたものだという説明の札をつけて植えてある「花水木はなみずき」というのと少なくも花だけはよく似ているようである。
あひると猿 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
秋は小春のころ、石井という老人が日比谷公園ひびやこうえんのベンチに腰をおろして休んでいる。老人とは言うものの、やっと六十歳で足腰も達者、至って壮健のほうである。
二老人 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
怪金属Qは、長い黒マントに黒頭巾くろずきんを着て人間の形をよそおい、日比谷公園ひびやこうえんの方へ逃げた。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それはたとえば東京の日比谷公園ひびやこうえんにある日を期して市民を集合させる。そして田舎いなかで不用になっている虫送りの鐘太鼓を借り集めて来てだれでもにそれをたたかせる。
田園雑感 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)