斯樣かう)” の例文
新字:斯様
山間の私雨わたくしあめといふ言葉は實に斯樣かういふのをいふのであらう。我等は此地こゝの探勝を他日の樂みにしてふたゝび車上の人となつた。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
『あれは彼樣あゝと、これは斯樣かうと——』
斯樣かういふ場合は其の例の少くない事であるが、これが抑〻散る氣の習の付く原因の最大有力な一箇條である。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
散る氣の習の既に付いて居る人には一寸斯樣かういふやうに萬般の事を爲て行く事は出來難いものであるが、先づ些細の事からでも宜い、第一着手のところは何でも、爲す可きを爲し
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
すべて斯樣かういふ風に、心が向ふべきところにのみ向ふことが出來無くて、チラ/\チラ/\と餘事に走つて行くのを、氣が散ると俗にいふが、此の氣が散つて心の靜定の出來ぬのを
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)