放心ほうしん)” の例文
赤土あかつちの乾きが眼にも止まらぬ無数の小さな球となって放心ほうしんしたような広い地盤じばん上の層をなしている。一隅いちぐうに夏草の葉が光ってたくましく生えている。
かの女の朝 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
放心ほうしんと無邪気とは余裕を示す。余裕はにおいて、詩において、もしくは文章において、必須ひっすうの条件である。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)