撫子模様なでしこもよう)” の例文
なりはこの間と変りなく、撫子模様なでしこもようのめりんすの帯に紺絣こんがすりの単衣でしたが、今夜は湯上りだけに血色も美しく、銀杏返いちょうがえしのびんのあたりも、まだ濡れているのかと思うほど、艶々と櫛目くしめを見せています。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)