“抱車”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かかえぐるま66.7%
くるま33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たしか謡曲や仕舞しまいも上手であったかと思う。若先生も典型的な温雅の紳士で、いつも優長な黒紋付姿を抱車かかえぐるまの上に横たえていた。うちの女中などの尊敬の対象であったようである。
追憶の医師達 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
疑獄事件で収監される時まで幾年間、麹町こうじまちの屋敷から抱車かかえぐるまで通勤したその当時、毎日目にした銀座通と、震災後も日に日に変って行く今日の光景とを比較すると、ただ夢のようだというより外はない。
つゆのあとさき (新字新仮名) / 永井荷風(著)
お見受申せば貴老あなたのお屋敷には立派な黒塗の抱車くるまがあって車夫も一人いる御様子です。
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)