手切金てぎれきん)” の例文
東京の女にもかかる例あれば参考のためしるし置くなり。その後売女の手切金てぎれきんにつきてはまた別に記すべし。
桑中喜語 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
すっぱりと手を切るから、手切金てぎれきんの五十両、なんとか工面くめんをしてくれと千賀春にいわれ、のぼせ上って前後の見境みさかいもなく親爺おやじ懸硯かけすずりから盗みだして渡したが、手を切るとは真赤な嘘。
顎十郎捕物帳:06 三人目 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)