慕情ぼじょう)” の例文
澄み渡った月を眺めながらも、思いはたちまち故郷の空、都の空、恋しい人への慕情ぼじょうとなるのも無理のないことであった。
なぜ私たちは、親子でいながら、ここの一水も自由に越えられぬ身なのでしょうか。人間の子でないのなら、こんな慕情ぼじょうにも溺れますまいに……宗良にはこの涙が止まりません。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)