気色がなおると、彼はまた、甚だ慇懃鄭重いんぎんていちょうであった。つつしんで、玄徳を座上にしょう
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「いやいや、ああいう放埒者ほうらつものに、ここまでやって来られてはかなわん、重役どもの屋敷に一時とめておいて、わざと、慇懃鄭重いんぎんていちょうに扱っておけば、そのうちに窮屈がって、向うから逃げ出すじゃろう」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)