悼亡とうぼう)” の例文
この日兼てより写し置かんと思ひゐたりし南畝がしつ富原氏の墓誌を手帳にしるす。墓誌の終に悼亡とうぼうの詩六首を刻したり。『蜀山集』に出でたればここに録せず。
礫川徜徉記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
訪問は見合せる事にしたが、昨日きのうの新橋事件を思い出すと、どうも浩さんの事が気に掛ってならない。何らかの手段で親友をとむらってやらねばならん。悼亡とうぼうの句などは出来るがらでない。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)