悪物食あくものぐい)” の例文
旧字:惡物食
お千代はこの老婆の目にとまった。その年恰好としかっこうから見ても、遊びあきて悪物食あくものぐいのすきになったお客には持って来いというたまだとにらんだのである。
ひかげの花 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
それでも爺さんは苦切にがりきって、わかい時にゃ、随分悪物食あくものぐいをしたものだで、葬い料で酒ェ買って、犬の死骸しがいなら今でも食うが、茄子なすの鳴くのは厭だ、と言います。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)