悪心おしん)” の例文
旧字:惡心
両眼もひらいているが、活気なくものうそうに濁っていて、表情にも緊張がなく、それに、下あごだけが開いているところと云い、どことなく悪心おしんとでも云ったら当るかもしれない
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
全身倦怠、頭痛、悪心おしん、嘔吐、眩暈めまい、脱力などという嫌な気持ちだ。これはしかし、私は以前にラジウムの実験に凝っていたころよく体験したガンマ線照射後の宿酔状態とそっくりだ。
長崎の鐘 (新字新仮名) / 永井隆(著)
隼人は毒を舐めでもしたような、悪心おしんを感じながらそう思った。
ちくしょう谷 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
激しい悪心おしんにおそわれ、いまにも嘔吐おうとしそうになった。
五瓣の椿 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)