怪気あやしげ)” の例文
旧字:怪氣
まずこの急行列車の序開があったあとには旅館ホテルの淋しさ。人が一ぱいいながら如何いかにもがらんとした広い旅館。見も知らぬ気味悪い部屋、怪気あやしげな寝床の淋しさが続いて来る。
夏の町 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
町に入ると、常ならぬ花やかな光景けしきが、土地慣れぬ吉野の目に珍しく映つた。家々の軒には、怪気あやしげな画や「豊年万作」などの字を書いた古風の行燈あんどんや提灯が掲げてある。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)