志斐シヒ)” の例文
中臣女から出た一派の語部は、中臣志斐シヒ連などであらう。志斐シヒ連には、男で国史の表面に出てゐるものもある。
中臣女ナカトミメと汎称した下級巫女の上に、発達して来たものと推定の出来る中臣志斐シヒムラジの職業はここに出自があるものと思ふ。平安宮廷の女房の前身は、釆女其他の巫女である。
持統天皇と問答した志斐シヒ嫗(万葉集巻三)は(しひに二流あるが)中臣の複姓コウヂの人に違ひはない。此は、男女とも奉仕した家の例に当るのであつて、物部・大伴其他の氏々にもある例である。