御禊ごけい)” の例文
賀茂祭り、斎院の御禊ごけいなどのあるころは、その用意の品という名義で諸方から源氏へ送って来る物の多いのを、源氏はまたあちらこちらへ分配した。
源氏物語:15 蓬生 (新字新仮名) / 紫式部(著)
低くたれこめた曇り空からあられが降って来ると、その淋しさは一層つのるばかりで、屋島に残る平家の一門は都の事ばかり考えて暮していた。その頃都では、大嘗会だいじょうえのため、御禊ごけいの行幸があった。
御禊ごけいの日に供奉ぐぶする大臣は定員のほかに特に宣旨せんじがあって源氏の右大将をも加えられた。物見車で出ようとする人たちは、その日を楽しみに思い晴れがましくも思っていた。
源氏物語:09 葵 (新字新仮名) / 紫式部(著)