御悠ごゆる)” の例文
「どうぞ御悠ごゆるりとお留まり下さりませ、なにしろ、音に聞えたこの笹子峠でござりまする、お天気の時でさえ御難渋の道でござりまする」
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「いかがですか。奥へお越しになって、御悠ごゆるりと遊ばしませぬか」
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「——嫁とせがれどもが、あちらで今、蕎麦そばなど打って、何やら支度しておるそうな。山家やまがとて、ろくなおかまいもなりませぬが、まだ陽は高いし、学文路かむろへお泊りとすれば御悠ごゆるりでよい筈。まず、暫時ざんじは」
宮本武蔵:08 円明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「それではそのおつもりで……どうぞ御悠ごゆるりと」
大菩薩峠:15 慢心和尚の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
『まず、御悠ごゆるりとじゃな』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)