御帳みちょう)” の例文
その日の午後二時ごろに主上が中宮のもとへ来られて、ともに御帳みちょう(寝所)に入られる。夕方主上は起きいでられて、髪を調えられて帰って行かれる。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
せまい四ツ辻などにさしかかると、まるで林みたいに立てた両側の民家の門松の枝が、おん輿の御帳みちょうにつかえて、内なる龍顔をふとあらわにしたりした。
私本太平記:01 あしかが帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
自分のほかにだれがその仕度したくに力を貸すものがあろうと思いやって、御帳みちょうけ絹、壁代かべしろなどというものは、三条の宮の新築されて移転する準備に作らせてあったから
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)