強右衛門すねえもん)” の例文
強右衛門すねえもんは安全を信じていた。この群れにまぎれこんでいる以上、草叢くさむらと同じ色をした虫のように自分が思われていたのである。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「鳥居強右衛門すねえもんのようなやつだ」
故郷七十年 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
けれどその後はすぐ——当面の問題と沈鬱ちんうつの色に返った。貞昌はさっきからじっと自分の前に平伏している強右衛門すねえもんに向って、初めて力づよく、こういった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはずっと後のことで余談にわたるが、強右衛門すねえもんの壮烈な最期を目撃していた落合左平治などは、その折の図を自分の旗差物はたさしものに描かせて、子孫にまで伝えたということだった。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)