弓削道鏡ゆげのだうきやう)” の例文
その巨魁は、弓削道鏡ゆげのだうきやうである。道鏡は、称徳しようとく天皇の御信頼に依つて太政大臣禅師よりすゝんで法王の位を授けられ、遂に皇位に対して、非望をいだいたと云はれる。
二千六百年史抄 (新字旧仮名) / 菊池寛(著)
弓削道鏡ゆげのだうきやうの一類には玄賓僧都げんぴんそうづがあり、清盛の子に重盛があり、将門の弟に将平の有つたのは何といふ面白い造物の脚色だらう。何様どうも戯曲には真の歴史は無いが、歴史にはかへつて好い戯曲がある。
平将門 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)