しかし、また一方、大衆にわかりやすい常套手段じょうとうしゅだんをいつまでも繰り返しているのでは飽きやすい世間からやがて見捨てられるという心配に断えず脅かされなければならない。
映画雑感(Ⅳ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
この、結婚と同時に「必要な事務」を手早く片付けることはスミスの常套手段じょうとうしゅだんになっていた。
浴槽の花嫁 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
こいつがある日のこと、運動場で正三君とゆき違いざま、正三君の帽子をはらいとばして知らん顔をしていた。これが堀口生の常套手段じょうとうしゅだんだ。出ようによっては喧嘩けんかをしかける。
苦心の学友 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
と新太郎君は逗子以来の常套手段じょうとうしゅだんで馬に矢を向けた。廻り遠いが外に仕方がない。
脱線息子 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)