左兵衛督さひょうえのかみ)” の例文
左兵衛督さひょうえのかみは姉の大将夫人のこともいっしょにして世間体を悪く思ったが、恨みを言っても今さら何にもならぬのを知って沈黙していた。
源氏物語:31 真木柱 (新字新仮名) / 紫式部(著)
高級役人や殿上人の饗膳きょうぜんなどは内蔵寮くらりょうから供えられた。左大臣、按察使あぜち大納言、とう中納言、左兵衛督さひょうえのかみなどがまいって、皇子がたでは兵部卿ひょうぶきょうの宮、常陸ひたちの宮などが侍された。
源氏物語:51 宿り木 (新字新仮名) / 紫式部(著)
夫人の弟の公子たちは、左兵衛督さひょうえのかみは高官であるから人目を引くのを遠慮して、そのほかの中将、侍従、民部大輔みんぶだゆうなどで三つほどの車を用意して夫人を迎えに来たのであった。
源氏物語:31 真木柱 (新字新仮名) / 紫式部(著)
式部卿しきぶきょうの宮の左兵衛督さひょうえのかみは南の夫人の弟である。六条院へは始終来ている人であったから、玉鬘の宮中入りのこともよく知っていて、相当に煩悶をしているのが文意に現われていた。
源氏物語:30 藤袴 (新字新仮名) / 紫式部(著)