川波船二かわなみふねじ)” の例文
まゆひそめて、吐きだすように云ったのは、あかがおの、でっぷり肥った川波船二かわなみふねじ大尉だった。窓の外は真暗で、陰鬱いんうつ冷気れいきがヒシヒシと、薄い窓硝子ガラスをとおして、忍びこんでくるのが感じられた。
恐しき通夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)