“岱赭”の読み方と例文
読み方割合
たいしゃ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
乗馬は馬首をならべて、黙々とその蹄鉄のひびきに、岱赭たいしゃ色の土煙をぽかぽかと蹴たてながら忍耐強い歩みを続けていた。
シベリヤに近く (新字新仮名) / 里村欣三(著)
岱赭たいしゃ色、古びた緑金色。ちょっとはなれて右手にあるボリス・ゴドノフの寺院のビザンチンのドーム——皆日本人がいつからか知って居る色だ。
きちん、と手際よく、き耕やされて筋目正しくならされた岱赭たいしゃ色の土の面の露霜がとけて、もやもやとした白い水気が、幾条も幾条も立ち初めて太陽の面をかすめたり、斜な光線にからんだりする。
かやの生立 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)