山羊髥やぎひげ)” の例文
古い背広に山羊髥やぎひげ、不精な長髪、なんとなく尾羽打枯おばうちからした風体ふうていですが、いうことは妙に皮肉で虚無的で、そのくせ真剣さがあります。
その夜の話し手遠藤盛近えんどうもりちかは、山羊髥やぎひげしなびた中老人で、羊羹ようかん色になった背広の、カフスから飛出とびだすシャツを気にしながら、老眼鏡の玉を五分間に一度位ずつの割りで拭き拭き