むく)” の例文
赤熊のこの容態では、成程立聴たちぎきをする隠れ場所に、見世物小屋を選ばねばならなかったろう、と思うほど、薄気味の悪い、その見世物は、人間の顔のむく犬であった。
日本橋 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「わたしは自然によらなければ書かない。わたしは生きたむく犬の背中でペンを拭ふ」