小刀細工こがたなざいく)” の例文
この一点で、かみを欺いたるものとして、改易にされても、恨むべき筋はござりますまい。何故、かような小刀細工こがたなざいくをしてまで虚位虚名を、お望みになります?
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
小刀細工こがたなざいくで自分の領分に縄張りをするのが好きなんだと断言せざるを得ない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
なまじいに余計な小刀細工こがたなざいくをするから、却って貴様にうたがいが懸かるとは知らねえか。さあ、ありがたい和尚様がこれほどの長い引導を渡してやったのだから、もういい加減に往生しろ。どうだ
半七捕物帳:45 三つの声 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
自分の気に入った枝だけに袋をかぶせて大事を懸ける小刀細工こがたなざいくと一般である。
文芸委員は何をするか (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
小刀細工こがたなざいくすきな人間がさ」
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)