安倍川あべかわ)” の例文
安倍川あべかわを西に越えると、右のほうにえんえんたる帯のような、山つづきが眺められる。箱根から西で名の高い、宇津谷峠というのはこれだ。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
賤機山の上から見晴らした時も随分横幅があると思ったが、俥で通り抜けても町外れの安倍川あべかわまでは大分乗りでがある。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「でも、火をおこしますと、あんまりよくおこって勿体もったいないものですから、これで安倍川あべかわをこしらえて、あなたに差上げようという気になったものですから、つい……」
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その外安倍川あべかわ藁科川わらしながわの上流の村々では、一般にこの藤布が用いられていた。
木綿以前の事 (新字新仮名) / 柳田国男(著)