宇津谷峠うつのやとうげ)” の例文
「これは大変でございますよ、笹野様。昨日の二月十八日は、東海道宇津谷峠うつのやとうげで金飛脚が殺され、三百何十両の金が取られております」
……なんだなんだ、今さららしくギョッとしたような面をするねえ。……実は、芳太郎、宇津谷峠うつのやとうげの雨やどり、この三百両は按摩あんまを殺してった金だといやア、おお、そうかと嚥みこんでやる。
この宇津谷峠うつのやとうげで出会ったのは、修行者だったからいいようなもの——。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
宇津谷峠うつのやとうげに差しかかったところを、三人組の兇賊に襲われ、宰領の武家中根鉄太郎なかねてつたろうは斬られ、馬子二人までを負わされて、五千両見事に奪い取られたことがありました。