存寄ぞんじよ)” の例文
當初御萱堂ごけんだう不幸之みぎり存寄ぞんじよらざる儀とはまうしながら、拙者の身上共禍因と連係候故、報謝の一端にもと志候御世話も、此の如く相終候上は、最早債をつぐのふだを折候と同じく、何の恩讐おんしうも無之
「ここにいる七尾もそうだが、いつか一度行って見たいと思っている島がある。お前らの居た無人島がわれわれの存寄ぞんじよりの島だとはかぎらぬが、大体、おなじような見当になっているから、無人島の風物のありようだけでも、ざっと聞かしてもらいたい」
ボニン島物語 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)