大連おおむらじ)” の例文
かくのごとき祭事まつりごとがいかにして政治まつりごとに変わって来たか。ここに我々はいわゆる「大臣おおおみ大連おおむらじ」の意義が見いだされはしないかと思う。
日本精神史研究 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
古代には、大連おおむらじ、すなわち大将の物部氏が、もののふとして軍を統率していたと見たほうが適当であろう。
物部氏は正史には大連おおむらじとあり、大臣は蘇我そが氏に限るが、この蘇我氏の中には、物部氏滅亡後その遺産をそっくりもらって物部大臣と称した蘇我氏の一人が実在しているのである。
安吾史譚:02 道鏡童子 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
大臣おおおみ大連おおむらじこれが褊裨へんぴたり。いまだかつて別に将帥を置かざるなり。あにまたいわゆる武門武士なる者あらんや、といいしごとく、吾人わが王朝の歴史においてこれを見るなり。
将来の日本:04 将来の日本 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
くだって、仏教渡来のころ、大連おおむらじすなわち大将の高い地位にいた物部守屋もののべもりやは、天皇の意思を無視して、外国献納の仏像を、難波の堀江に投げすてた。なんびとも守屋に反抗しなかった。
大連おおむらじの物部尾輿おこし中臣連鎌子なかとみのむらじかまことは、それに反対して言った。