大薬缶おおやかん)” の例文
旧字:大藥罐
昼はいくらか客もありますが、日が暮れるとサッと店をしまって、婆さんと娘が、菓子箱と緋毛氈ひもうせんを背負い、大薬缶おおやかんをブラ下げて自分の家へ帰ってしまいます。
これは今、ふうの変った立場たてばということになっている。土間には炉があって、大薬缶おおやかんがかかり、その下には消えずの火といったような火がくすぶっている。その周囲には縁台が置きならべてある。
大菩薩峠:26 めいろの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)