大歌オホウタ)” の例文
大歌オホウタの中の本宜ホギ歌なども、日本の地で子を産まぬ雁の卵を見て「ほ」と感じ、「ほ」を見て後に唱へた一種の呪言的の歌である。
此は、さうした事実に、此歌の成立を思ひよそへた大歌オホウタ(宮廷詩)についてゐた説明なのであらう。
叙景詩の発生 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
記・紀、殊に日本紀、並びに万葉の古い姿を遺した巻々には、その模様が手にとる如く見られるのである。かうした時勢は、宮廷の儀礼古詞なる大歌オホウタ(宮廷詩)にも投影した。
此が、物語から歌の独立する経路であると共に、遥かに創作詩の時代を促す原動力となつたのである。此を宮廷生活で言へば、何ブリ・何ウタなど言ふ大歌オホウタ(宮廷詩)を游離する様になつたのである。