大伴黒主おおとものくろぬしが、とうてい小町には敵わないと思ったものですから、腹黒の黒主が、小町の歌が万葉集のを剽窃ひょうせつしたものだと称して、かねて歌集の中へ小町の歌を書きこんでおき
「草紙洗」を描いて (新字新仮名) / 上村松園(著)