外廓そとがわ)” の例文
江戸大城の関門とも言うべき十五、六の見附みつけをめぐりにめぐる内濠うちぼりはこの都会にある橋々の下へ流れ続いて来ている。その外廓そとがわにはさらに十か所の関門を設けた外濠そとぼりがめぐらしてある。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
正月の十五日過ぎに、岸本は同じ路を歩いて行くことを楽みに思いながら、ある大きなやしき外廓そとがわについて郊外らしいみちの曲り角へ出た。その辺で、谷中から遠く通って来る節子を待受けた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)