壻君むこぎみ)” の例文
穉き尼君を世の中の少女の樣になせそ。法皇の手づから授けられし壻君むこぎみをば、今より胸にをさめたるをとのたまふ。
十四年七月二十二日に、御台所みだいどころの養子にせられ、九月十八日に津山の松平家に壻入し、十二月三日に松平邸にいった。四歳の壻君むこぎみである。文政二年正月二十八日には新居落成してそれに移った。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
われそが一人に「パオロ」銀一箇(我二十錢餘)を與へしに、姫もまた微笑みつゝ一箇を與へ給ひぬ。草拔く人は、美しき姫君と壻君むこぎみとに聖母マドンナの御惠あれかしと呼びたり。