壇場だんじょう)” の例文
壇場だんじょうから諸堂、霊廟と、のこらず参拝して、宿坊の前に立ち、「こちらに泊めていただきたい」と声をかけたが、誰ひとりとして応答するものがない。
イヤどうも、こういう、字引にもない言葉を連発する段になると、ガラッ熊、得意の壇場だんじょうだ。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
本来、船宿の二階というものは、真剣勝負の白刃の響きを聞いているべきところではありません。江戸時代の船宿の二階というものは、もう少し違った風流の壇場だんじょうでありました。
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
祖父は管弦楽オーケストラの後ろの第一列の定席についた。彼は手摺てすりによりかかって、すぐにバスひきとのべつに話をやり出した。そこは彼の得意の壇場だんじょうだった。彼は音楽の権威だったから人々から謹聴された。