つち)” の例文
彼独特の領域にして、北欧の風雪がつちかつた奇峭きせう、峻厳、冷酷の気は、あの粗ツぽく力強い筆致に遺憾なく描破されて居る。
文壇一夕話 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)
金の如き水楊のわくら葉を振り乱して、かもが幾十羽となく、むらがって魚を喰べに来るというほどの、静かな谷になって、青々とした森林は、肥沃な新火山岩の分解した土が、その根をつちかっている
日本山岳景の特色 (新字新仮名) / 小島烏水(著)