おなじ宿場しゅくばのきをながしていた坂東巡礼ばんどうじゅんれいの三十七、八ぐらいな女——わが子をたずねて坂東めぐりをしてあるくおときという女房にょうぼう
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
せずして、かれの周囲しゅういを、一同のものがドッと取りまいた、ただそのようすを、さびしそうにながめていたのは、坂東巡礼ばんどうじゅんれいのおときであった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)