地団駄じたんだ)” の例文
旧字:地團駄
この時、私達の耳元で、恐しい野獣の様なうなり声が聞えた。振り向くと、矢島五郎が、鼻の頭をびっしょりと汗で濡らし、真っさおになりながら唇を噛み締めて地団駄じたんだ踏んでいる。
カンカン虫殺人事件 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
両兎を追うもの一兎を得ず、逸早く、金吾はきびすを巡らして前の所へ戻って来ましたが、もうその時は万太郎の方も、優形の覆面を取逃がして、地団駄じたんだを踏んでいるあとでありました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)