因縁いはれ)” の例文
であるから人の困厄を見れぱ、其人が何人なんびとであらうと、憎悪にくあしするの因縁いはれさへ無くば、則ち同情を表する十年の交友と一般なのである。
空知川の岸辺 (新字旧仮名) / 国木田独歩(著)
實は、そのあとで酒を飮む爲めに、日頃素振の氣に食わぬ若い娘を海に入れる爲めに——其前の因縁いはれありげな儀式として彼等はこれらの海神の祠を拜するに過ぎないのだ。
海郷風物記 (旧字旧仮名) / 木下杢太郎(著)