嚇々かくかく)” の例文
たとえ、その光には、嚇々かくかくとした夏があり、楽しみの多き、また働き甲斐の多き、雄壮な人生が控えていたとはいえ。
机前に空しく過ぐ (新字新仮名) / 小川未明(著)
ロメオくらいなところではだ滑稽を脱せぬと云うなら余はなお一歩を進める。この凱旋がいせんの将軍、英名嚇々かくかくたる偉人を拝見するために飛び上がるのは滑稽ではあるまい。
趣味の遺伝 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そういう素晴らしい大大名の、威権嚇々かくかくたる重臣方なのであったが、ところがそういう重臣方が、さもつつましく膝を揃えて眼の前に端坐しているのであった。紋也がうめいたのは当然といえよう。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)